熊谷守一美術館

三月末のとある日、母が東京に来ていて、彼女の兼ねてからの希望により熊谷守一美術館に行く。
駅からバスでと案内にはあるが、なにせベビーカーでの移動となるためタクシーに乗ることにする。このタクシーの運転手、ものすごく物腰が柔らかく感じの良い人で、美術にも多少興味があり、話好きだったため、とても和やかに車内の空気が弾んであっという間に美術館に到着。
池袋から10分程なのだが、駅前とはすっかり様子が違い、古くからの民家が建ち並ぶ静かな住宅地の一角。もともと住居だった建物を私設美術館とし、昨年区に運営を委託したと聞いていたため、家屋のような趣の美術館を想像していたのだが、打ちっぱなしのコンクリートでかなりモダンな美術館であった。一階が喫茶サロンになっていて、熊谷ファンらしきマダム達がお喋りに興じていた。一階、二階が彼の作品、三階は一般の展示場であった。
もともと彼の作品が好きだった母は来れてよかった〜と感激していた。有名な猫の絵やカメ、やアリの絵.どれもカラフルで形もかわいらしい。ご本人の写真を拝見したら、立派な白い髭をはやした仙人のような出で立ちであった。少し母方の祖父に似ているなあと思った。