阿佐ヶ谷住宅というのは、取り壊しが決まったのか、あるいは取り壊しの反対にあって頓挫しているのか定かではないが、今現在人は住んでいない古びた二階立ての集合住宅が近代的な住宅地の真ん中にぽかりとあり、その低い建物郡は集落のようでもある。
その住宅地をぬけてちょっと歩いてゆくと下り坂がある。それはとても細い小道で、左右の家から出ている木々がお互いに重なり合って小さなアーチを作っている。日差しがきらきらとその合間をぬって降り注ぎ、何とも心地よい。
そしてさらに進んでゆくと、杉並高校があり、そこを左手に折れて歩いてゆくと善福寺川にでる。ここは左右が緑地化され、公園となっており、かなり広大な敷地である。今は紅葉がかなりすすみ、落ち葉がわさわさと川沿いに沢山降り積もり、ゆっくり歩くと柔らかい足触りでとっても気持ちがよい。川沿いのベンチには散歩にきたであろう年配のご夫婦がいたり、またちょっと開けた公園あたりには学生らしき数名の男女が談笑したりしていた。秋から冬にかけてのなんともよい光景でした。